G Masterの広角ズームSEL1635GMレビュー

今更ながらEマウントの大三元広角ズームを購入。
F2.8の広角ズームはKマウントのHD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WRを持っているので1635GMは一切購入する気はなかったのに、動画撮影をしていたら欲しくなってしまって入手してしまいました。
DFA15-30mmF2.8の描写に一切の不満はないというか圧倒的な満足しかないので、同じカテゴリーのレンズにここまでの投資が必要かと言われると絶対に不要だったのですが、、

 
なによりもSONY純正のGMレンズは高い。レンズの価格に対する感覚が麻痺しているから購入したのですが、仕事への貢献度も高くないこのカテゴリーのレンズに26万は後悔しかありません。

スペックとパッケージ

  SEL1635GM DFA 15-30 F2.8
絞り F2.8 – 22 F2.8 – 22
最短撮影距離 0.28m 0.28m
最大撮影倍率 0.19倍 0.20倍
フィルター径 82mm 82mm
レンズ構成 13群16枚 13群18枚
絞り羽 11枚 (円形絞り) 9枚
サイズ ø88.5mm x 121.6mm ø98.5mm x 143.5mm
重量 680g 1040g

一応所持しているD FA 15-30mmF2.8を比較対象として記載。SEL1635GMのスペック的な部分での特徴は、11枚の絞り羽根と680gという軽さとコンパクトなサイズ感です。
マイナスポイントとしては撮影倍率が低いという点でしょうか。他はこのカテゴリー的には標準的な数値です。

本体のサイズはスペック表通りですが、DFA15-30F2.8はフード一体型で更にインナーフォーカス、インナーズーム採用で鏡胴が伸びないのでフード付きの全長で見るとSEL1635GMのほうが長かったりします。(上記写真はズーム端)

テレ端ではSEL1635GMはそれなりに伸びます。DFA 15-30 F2.8は鏡胴が伸びないと書きましたが前玉はフード内で前後して、テレ端ではフードのかなりギリギリまでせり出します。

こうやって前玉まで見ると全く別物のレンズです。

紹介内容的には前後しますがパッケージを。まずは箱

内容物。GMレンズらしく立派なケース付きです。レビューのたびに書いていますが、これの分数千円でも安くしてほしい。真ん中の細長いのはケースのストラップです。

フィルター経はSEL2470GMと同じ82mmなのでレンズカバーは同じですが、フードは浅い花形です。分かりづらいですが内側には起毛が。

どうでもいい話ですが、持ち運ぶかばんや置き場所によっては結構ホコリの付着するこのフードの起毛ですが、テープでもなかなか取れないのでこの前水で洗ったらきれいに落ちました。

外観

GMレンズのロゴとその下にはカスタムボタン。前玉側がフォーカスリングでマウント側がズームリングです。またマウント側にはAF/MFの切り替えスイッチがあります。SEL2470GMについていたズームリングのロックスイッチはこのレンズにはありません。

左SEL2470GM/右SEL1635GM
全長には差がありますが似たようなデザインです。本体とのバランス(見た目のデザイン)は圧倒的にSEL1635GMのほうがかっこいいです。

ただこうしたインナーズームではないズームレンズはズーミングによってプロポーションが崩れてダサくなるのが悲しい。フード一体型でもいいのでインナーズームの設計だったら良かったのにと思ってしまいます。

特徴というか買った理由

□円形フィルター装着可能
フィルターまずPENTAXのDFA 15-30 F2.8に対して一番惹かれた部分は円形フィルターが装着できること。角型フィルターは取り回しや価格の面でデメリットが大きいので気軽に使えるという点でかなりのアドバンテージ。
SEL1224Gも候補でしたが、このフィルターの部分で候補から外しました。

□35mmスタート
35mmといえばスタンダートな画角というか基本的な焦点距離というイメージがあります。私は広角が苦手でスナップはもっぱら50mm派ですが、スナップでも使える取り回しの良さもこのレンズのメリットです。上述の通りフィルターも装着できるため普段遣いしやすい条件が揃っています。
DFA 15-30 F2.8は30mmスタートでスナップには(個人的に)向かないし、なにより保護フィルターがつけられないので普段からボディにつけっぱなしは気が引けて、ここぞというシーンでしか使うきになれません。

□室内で動画を撮るために
動画撮影には、K-1よりα7iiiのほうが向いているため最初はSEL2470GMをつけていましたが、24mmでは狭く感じるシーンも多かったため。
ILCE-7M3K, SEL1635GM, 1/60s f/2.8 ISO100 16mm

ボケとか

ILCE-7M3K, SEL1635GM, 1/25s f/2.8 ISO400 35mm
ボケの美しさでいえば当然ながら大口径の単焦点レンズには及びません。2470GMでも気になった輪線ボケが発生していますし、少し固い印象があります。

ILCE-7M3K, SEL1635GM, 1/200s f/2.8 ISO100 35mm
前ボケが少しうるさい。解像面から後ボケへの繋がりはいい感じです。

ILCE-7M3K, SEL1635GM, 1/80s f/2.8 ISO100 35mm

その他少し作例

ILCE-7M3K, SEL1635GM, 1/2000s f/2.8 ISO100 16mm
開放でテレ端16mmの描写を確認したくて一番最初に撮った写真。PENTAXと比較して圧倒的に軽く取り回しが快適なことになによりびっくりでちょっと違和感を感じたくらい。厳密に比べたわけではないですが、超広角の範囲での焦点距離の1mmの違いは結構あって、DFA 15-30 F2.8に比べて画角が狭いかなと感じました。

ILCE-7M3K, SEL1635GM, 1/4000s f/2.8 ISO100 16mm
思いっきり夏の夕方の太陽が入ったカット。フードは付けていますが、フレアと分かりづらいですがゴーストも発生しています。それでもディティールは失われていない感じ。

ILCE-7M3K, SEL1635GM, 1/160s f/2.8 ISO100 16mm

ILCE-7M3K, SEL1635GM, 1/800s f/2.8 ISO200 35mm

ILCE-7M3K, SEL1635GM, 1/200s f/2.8 ISO400 16mm

まとめ

気になるところ
  • 輪線ボケ
    →玉ボケがそんなにきれいじゃない
  • 価格
    →専用ケースなくてもいいのでその分安くしてほしい
  • 広角側の1mmの差は大きく、DFA15-30mmのほうがダイナミックに撮影できる
良いところ
  • 円形フィルター装着可能
  • AFの正確さ 速さ
  • 安定感のある描写
  • きれいな後ボケ
  • 35mmから始めるスナップに使える広角便利ズーム

価格は高いしこの価格に見合った写真が撮れるのか甚だ疑問が残りますが、価格に目を瞑れば大満足なレンズです。ポイントはフィルター装着と35mmから始まる超広角ズームという2点。

風景だけでなく室内でも大活躍。ただプライベートではf2.0以下の明るい単焦点ばかりつけているので比較すると光量不足は否めません。そこはISO感度でカバー。

DFA 15-30 F2.8との比較では、取り回しは圧倒的に1635GMに軍配が上がりますが、k-1の光学ファインダーで見る15mmの超広角の世界には劣る気がします(α7iiiのEVFの解像感のせいかもしれませんが)。まだ全然風景写真を撮れていませんがじっくりと風景に向かい素晴らしい一瞬を待つ高揚感はDFA 15-30 F2.8の方がいいのかな。
ボケに関してもそれほどアドバンテージはあるように感じませんし、使いこなせてないだけかもしれませんが高い割に思ったほどの性能は無い気がします。

相対的にDFA 15-30 F2.8の満足度が上がったというのが正直な感想です。

 

スポンサーリンク

シェアする ≫

フォローする ≫