ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/4000s f/1.4 ISO100
昨年の1月にα7iiiを購入し、FEマウントの記念すべき一本目のレンズとしてSEL85F18を選びました。自分程度の腕で物足りないとはおこがましいとは思いつつも、描写に不満があるからとすぐに売却。その勢いのままSEL85F14GM(ソニーFE85mm F1.4 GM)を購入しました。
スペックとかおさらい
絞り | F1.4 – 16 |
最短撮影距離 | AF 0.85m, MF 0.8m |
最大撮影倍率 | 0.12倍 |
フィルター径 | 77mm |
レンズ構成 | 8群11枚 |
絞り羽 | 11枚 (円形絞り) |
サイズ | ø89.5mm x 107.5mm |
重量 | 820g |
αシリーズはカメラ本体は一眼に比べコンパクトですが、GMクラスのレンズになると一眼の同スペックのもものと大差ありません。なので装着するとかなりフロントヘビーな見た目に。
最短撮影距離、最大撮影倍率については普通。
絞り羽根11枚というのは最近増えてきていますが、このレンズが発表された当時ではかなり珍しい部類だっとかと。これにより、よりなめらかな形状の玉ボケが得られます。(どうせなら2470gmにも採用してほしかった。)
ボケとか色収差とか
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/2500s f/1.4 ISO100
大口径レンズの宿命か、口径食はやっぱり発生、被写体によって絵がぐるぐるします。
後ボケの玉ボケではそこまで目立たない輪郭の色づきは、前ボケでは結構出ている他、ピント面でもフリンジが見られるなど軸上色収差の影響が見られます。
さらに前ボケでは少し二線ボケの影響かボケがうるさくなることも。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/1600s f/1.8 ISO100
1.8に絞ると気持ち口径食の影響が減ってきます。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/1250s f/1.8 ISO100
解像
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/100s f/1.4 ISO100
中央付近は開放から非常にシャープです。このスペックのレンズは絞らないとシャープにならないようなイメージがありますが、最近のレンズは本当によく写ります。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/50s f/1.4 ISO100
この解像力の高さが背景のとろけるようなボケと相まって、被写体の浮き上がり方がより際立ちます。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/1000s f/1.6 ISO100
この解像力と背景のボケを楽しみたくて、どうしても開放付近で使ってしまいます。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/8000s f/2.0 ISO100
f2の時点で申し分ないくらいにシャープ。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/4000s f/2.8 ISO100
シグマの85mm f1.4 artとの比較でこちらの方がソフトな描写と書かれていましたが、最近のレンズは本当に解像力が高くシャープなのでそんなにシャープであることに拘る必要はない気がします。絞らなくても解像面はシャープですし、f2.8で周辺部もしっかり描写してくれます。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/320s f/4.0 ISO100
f4まで絞ると中央の解像力はもちろんですが、四隅まで均一に描写されているように思います。
逆光や周辺減光
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/2500s f/1.4 ISO100
逆光時の描写ではゴーストは出ませんし、フレアもフードを装着すれば気にならないレベル。逆光時のポートレートなどフレアを意図的に出したい場合はフードは外すべきです。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/8000s f/1.4 ISO100
ボケの項目でも書きましたがフリンジは要注意。補正で簡単に消せるとはいえf2.8くらいまではコントラストが高くなるシーンでは発生します。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/1000s f/2.0 ISO100
逆光耐性もよく解像力も開放からカリカリでどんなシーンでも迷わず使えるレンズですが、旧来のレンズのように開放ではソフトな描写になるというのも雰囲気や味として悪くないと感じるときもあります。工夫や技術がなくても「見られる」写真が撮れてしまいます。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/640s f/2.8 ISO100
カメラ側で周辺光量補正の設定はオート、Lightroomで補正しても周辺減光が目立つときがあります。このときのように、曇りの天気や夕方で海や湖面などフラットな景色が広がるような。これはつけているフィルターがいけないのかな?それかフードを外すべきだったか、その両方で解決するのかもしれません。
Lightroomで周辺減光の補正をオートよりも強力にしても不自然に。光量落ちしている部分との境界あたりに明るい輪っかのような帯が発生します。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/250s f/4.0 ISO100
f4でも周辺光量落ちは解消しないように思います。フィルターとフード外したらもう少しマシだったのかな?このような風景なら周辺減光も味として捉えられるものの、気にならないレベルではないかもしれません。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/400s f/4.0 ISO100
暗くて判別しにくいですが、このときには周辺光量落ちは気になりませんでした。
スナップ
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/100s f/1.4 ISO100
前後のボケがいい感じの雰囲気に。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/3200s f/2.8 ISO100
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/1600s f/1.8 ISO100
PENTAXなら置きピンしないと撮れないような動きのある写真も、高速な瞳AFのおかげで楽に撮影できてしまいます。恐ろしい。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/5000s f/1.8 ISO100
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/1250s f/1.8 ISO100
人が被写体の場合どうしてもある程度近くから撮影ばっかりしてしまいましたが、これくらいの距離感で撮るのが一番気持ちがいい気がします。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/1250s f/1.4 ISO100
なんでもない写真ですが、本当に後ボケのとろけるような描写が素晴らしいです。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/2000s f/1.4 ISO100
前ボケを効果的に使った写真をうまく撮れるようにしたいところです。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/4000s f/2.0 ISO100
撮影倍率は低いのであまり物撮りには向きません。
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/320s f/1.4 ISO100
ILCE-7M3K, SEL85F14GM, 1/100s f/1.8 ISO100
まとめ
よかったところ
・唯一無二の美しさ、滑らかさの後ボケ
・絞り羽根11枚による美しい形状を保つ玉ボケ
・十分高速で不満のないレベルで正確なAF(PENTAXユーザーからの視点)
・所有欲を満たすデザイン
※AFは音がうるさいと言われるが使っていれば気にならない
気をつけるところ
・軸上色収差によるボケの色づきやフリンジの発生(フリンジは補正で解消)
・周辺減光(f4程度まで絞って補正しても気になるときたまにあり)
・歪曲が目立つ(補正すればOK)
・素晴らしい光学性能だが口径食は開放で目立つ
・素晴らしい写真をのためにもう少し腕が必要
総評
より軽量安価なSEL85F18からの切り替えで購入しましたが、金額、携行性にこだわらないなら最初からこちらを選ぶべき。大きく重いレンズですが一眼ユーザーならむしろ軽いので気になりません。PENTAXから入ったので、AFの速さ正確さともに一切の不満はなくむしろ感動するレベル。特に瞳AFによるオートフォーカスのおかげで、モデルや俳優など撮影時間が分刻みで指定されているシーンでは本当に助かります。
描写では、後ボケが本当に素晴らしく背景をうまく活かした写真は楽しいです。開放では口径食と色収差に気をつけないといけないシーンはありますが絞れば問題は解消されます。個人的な課題は少し離れた距離から圧縮効果、前ボケをうまく活用したポートレートに挑戦できればと思っています。