ペンタックスのベストセラーのリミテッドレンズで1997年発売の「smc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited」。この度一部性能面がリニューアルされ「HD PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited」として発売されました。
仕様表 | HD PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited |
絞り | F1.9 – 22 |
最短撮影距離 | 0.45m |
最大撮影倍率 | 0.12倍 |
フィルター径 | 49mm |
レンズ構成 | 6群7枚 |
絞り羽 | 8枚(f3.5まで円形絞り←NEW) |
サイズ | ø64.0mm x 27.0mm |
重量 | 155g/フード付:約163g |
特徴は変わった焦点距離、f値が22まで、寄れない、倍率は高くない、小さく軽い。
リニューアルにによる変更点はコーティングが見直されたのと円形絞りの採用。外観でも説明しますがこの43mmは七宝焼がついたこと。モーターやほかの光学系はそのままです。
外観レビュー
その他31mm、77mm合わせ3本あるフルサイズ対応のリミテッドレンズですが、どれもアルミ削り出しのボディに加え最近のペンタックスのレンズにはない絞り環が特徴です。
この旧版のリミテッドレンズは43mmのみ七宝焼きのフィンガーポイントがありませんでしたが、今回のリニューアルで新設されました。
フード一体型のように見えますが、アルミ削り出しのこのレンズフードも取り外しが可能です。(31mm、77mmはフード一体型)
ねじ込み式なので取り外しが面倒です。
フィルターを取り付ける場合はフードを外す必要があり、フードはフィルターに取り付ける形になります。
フードを外すとパンケーキスタイルになりますが、見た目はフードありの方がしっくり来ますし取り外しの手間、さらにレンズキャップはフードに取り付けるタイプなので基本的にはつけっぱなしになると思います。
レンズ本体、フード、フロントキャップに至るまで高品質なビルドクオリティで所有欲を満たしてくれます。PENTAXは最近あまりデザインで惹かれず食指が動きませんが、これはいいものです。
前玉は適度な大きさ。
絞り開放
f8.0
最近のレンズと違いアナログで絞り羽根を動かせるので、カメラにつけてないなくても絞りの形状を確認できます。
装着。
光学式のオーバービューファインダーはやっぱりいいですね。電源を入れなくてもレンズを通した風景が見えるのはテンションがあがります。
開封とFA77limited(旧)との比較
側面
久しぶりに買ったPENTAXのレンズ。側面は最近のPENTAXの標準的なデザインです。
上面
外箱上面は白にロゴがプリントされたデザイン。最近のは上面も側面と同じシルバーにレンズがプリントされているデザインでしたが刷新されたのかもしれません。
説明書、保証書に革製のポーチに入ったレンズという構成。最低限の緩衝材で外箱はコンパクト。ポーチの刻印は強圧の箔押し。
絞りはA位置でロックがかかり、をA位置に入れる、またはA位置から外すためには金属製の突起を押し込みながら回す必要があります。
このボタン含めて絞りの操作はあまりスムーズに動きません。
上から。
Fa77limited(旧)との比較。
七宝焼の色味は明るいエメラルドグリーンになっていて結構違います。ちなみにFA77は比較的古めの日本製の型です。
キャップは一見同じに見えますがロゴの刻印の深さ、そもそもデザイン自体少し変わっています。縁のリムの厚さも微妙に違います。
絞りの異常
開放
limiedの刻印の下の羽根がうまく収納されない。
F2.8
Limitedの刻印の下の羽根だけきれいな形にならない。
旧版でも結構絞りの異常はあるようですが、新品でしかもリニューアルされたものがこれはひどい。
開放 f2.0f2.2
開放ではあまりきになりませんが、f2.0〜4.0くらいまでは米粒が欠けたような玉ボケがになってしまいます。
販売店にメールで確認中ですが、いまのところ音沙汰なし。
これが正常と判断されるならやばいですね。
まとめ
このレンズを外観中心に見てみると本当に満足のいくクオリティです。持っているだけで幸せになれます。現在持っている77mmがシルバーなのでこれもシルバーにしましたがブラックカラーもあり好みで選べます。本体が黒ならブラックがおすすめかも。
光学性能は今後見ていきたいですが、この43mmはあえて収差を残すことにより、質感や味を演出するという設計思想。
中途半端なこの画角ですが、35mmで感じるような広すぎるということもないし、50mmで狭いなと感じることもない標準域。50mmがいわゆる標準レンズですが、この43mmはファインダーを覗いたときに視野の変化を一切感じさせない素敵な画角です。
絞り羽根さえ解決したら本当に満足できそうです。