D FA★50mmF1.4が発売されてから8ヶ月ほど経ちました。今年に入って2本のレンズ(FAのリニューアルとDA★)が発売され、CP+ではD FA★85mmF1.4のモックアップが展示、ロードマップも更新されました。とはいえいまいち方向性が見えないPENTAXは不安なのと、AFの精度に悩まされる現状からαを導入しました。α7iiiのAFの速さ、精度には感服で、正直スピードが要求される諸々のシーンではPENTAXは到底及ばないレベル。こんな状況で次のレンズが出ても買いたいと思えるか悩ましく感じています。
それでも(αに慣れないせいもあるとは思いますが)、使いやすさ、出てくる画、撮影後の編集しやすさ、そして撮っていて楽しいのは圧倒的にK-1です。ある意味αを買ってその良さに気付かされた部分も。上の写真はα7iiiでも同じ状況で撮りましたが、K-1のほうが自分の思い通りの描写になります。別の状況でも色の出方はPENTAXのほうがきれいに感じます。
K-1の良さもあると思いますが、8ヶ月DFA★50を使っていて日に日にこのレンズの良さが身にしみてきます。ピント面の解像具合やボケといった描写からどんな場面でも使える50mmという画角含めて、今まで買ってすべてのレンズの中で一番の満足度。
改めてボケについて
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/20s f/1.4 ISO200 玉ねぎボケについて。ボケ部分を拡大すると↓
この画像は等倍ではないですが、撮影した条件によっては等倍で見たときにうっすら玉ねぎボケになっています。ただ、この写真のように「玉ボケを撮るために撮った玉ボケ」でなければ玉ねぎボケは出ないと言っていいレベルです。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/500s f/1.4 ISO100 次に口径食。開放の隅はレモンになりますが、嫌なぐるぐるボケにはなりません。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/500s f/2.0 ISO100 F値を2.0まで絞ればほとんど気にならなくなりますし、個人的には1.8くらいでも気になりません。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/250s f/1.4 ISO100 一方前ボケは若干うるさく、ぐるぐるの傾向も。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/25s f/1.4 ISO100 前ボケはほどほどに、背景をぼかすような写真なら本当に感動するような描写です。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/320s f/2.0 ISO100 描写に関しては非の打ち所がないので、ピントとの戦いです。レンズ自体は駆動も静かで高速ですが、問題は精度。光学ファインダーはα7iiiのEVFに比べるクリアで見やすいですが、若干暗く距離のある被写体の微妙なピントを探るのは難しく、特に瞳にピントをあわせるのは苦労します。何度もデフォーカスしながらシャッターを押す、顔にピント合わせてからマニュアルで追い込む必要があるので、動いている被写体になると、、、
逆光耐性
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/500s f/1.4 ISO100 開放ではパープルフリンジが目立つ時があり、アスファルトや砂地等、光が面で反射する部分にも顕著に現れます。2.4くらいまで絞れば気にならないと思います。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/1600s f/2.8 ISO100 自分が撮影している限りではゴーストは出たことありませんし、フレアも嫌な光が全体を覆うことがなく、逆光耐性はかなり良好です。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/500s f/1.4 ISO100 場合によっては緑のフリンジも。フリンジ自体は補正で消せるので大きな問題ではないでしょう。
解像力
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/2500s f/1.8 ISO100 隅を見るのに良い作例ではないですが、開放で隅まで安定しています。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/320s f/2.0 ISO100 被写界深度を広げる必要がなければ、解像させるために絞る必要はないように思います。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/500s f/4.0 ISO100 f4くらいがピークなんでしょうか。隅まで気にして見る人はそんなにいないと思いますが、人の周りの道具までしっかり描写されているのがわかります。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/2000s f/2.8 ISO100 ピント面のスッキリした解像力と、滑らかなボケのせいで2.8程度のF値でも溶けるような上質なボケが際立ちます。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/800s f/5.6 ISO100 5.6くらいでは隅まで均一な描写に。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/160s f/5.6 ISO100
その他適当に作例など
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/2s f/8.0 ISO100 最大撮影倍率は0.18倍なのでマクロ的な使い方はできませんが、一般的な料理撮影くらいなら使えると思います。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/200s f/1.8 ISO100 ポートレートに使いたい85mmは室内だと厳しいことも多いですが、50mmならまあまあいけます。でも室内なら35くらいのほうがいいかなと思うシーンも。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/20s f/2.8 ISO100
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/30s f/2.8 ISO100 最短撮影距離は40cmなので座りながらランチとか撮るのはぎりぎりといったところでしょうか。普段そういう用途では使わないのでよくわかりません。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/30s f/2.0 ISO100 ボケはほんとに惚れ惚れするような描写をしてくれます。玉ボケが加わると一層その良さが引き立つような気がします。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/80s f/1.8 ISO100 少し絞るだけで口径食は気にならないので、安心して撮影できます。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/20s f/5.6 ISO100 絞って風景にも。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/200s f/5.6 ISO100
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/30s f/5.6 ISO100 人工物の直線から、雲まで立体的に描写します。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/500s f/1.4 ISO100 やっぱりこういうシーンでは少し前ボケが気になります。
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/1000s f/2.0 ISO100 ポートレートはピント合わせに注意。
これ以上無い最高のレンズ
Pentax K-1, HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW, 1/2000s f/2.8 ISO100 これだけ安定して高品質だと、この後に買うズームレンズはもちろん単焦点レンズに対してかなり厳しい目で見てしまいます。ちょっと前にレビューしたEマウントのSEL85f1.8も満足できない部分が目について早くも売却してしまいました。
これを買ってからFA77limitedの出番がほとんどなくなりました。DFA50Macroはマクロだから使うかなと思ってましたが結局売却。αを買ってからはDFA24-70も売却。PENTAXで残っているのはDFA★50f1.4の他にはDFA15-30f2.8とDFA★70-200f2.8、FA77limited、FA35f2.0となり、全部で5本。残ったこれらは全部愛着があるので当分は売らず、Eマウントのレンズは被らない部分を購入予定です。PENTAXをこれ以上増やすかはかなり不透明。★85mmが出たらほしいと思っていましたが、瞳AFのあるα用にGMを買ったほうが幸せになれそうですよね。
オートフォーカスに関して言うとPENTAXは本当にひどいレベルと言って過言ではない思います。それを補えるほどにそれ以外の面において、K-1とD FA★50mmF1.4の組み合わせはこれでないと満足できないほどの完成度と感じます。K-マウントユーザーならこのレンズは必携の一本です。