2017年の4月PENTAX K-1を購入してから、徐々にAPS-Cのレンズの出番が減り、今ではほとんどフルサイズセンサーに対応したレンズばかりを使うようになりました。
その中で、K-5iisのときから使っているHD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limitedだけは近距離の撮影では割と普通に使えたので、物撮りには困ることもなく使ってきました。
特定の用途のときにしか使わないレンズなので不満はなかったのですが、レストランの料理写真の仕事をいただいたのを機に、フルサイズ用のマクロレンズを購入することに決めました。
フルサイズ対応のマクロレンズの検討
サードパーティのものも含めると、いま簡単に入手できるレンズは次の4つになります。
・ペンタックス D FA Macro 50mm F2.8
・ペンタックス D FA Macro 100mm F2.8 WR
・シグマ MACRO 70mm F2.8 EX DG
・タムロン SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 Model272E
タムロンは一度標準ズームA09Pで失敗しているので、なんとなく不安だったのでパス。
シグマもディスコンなので気になっているのですがこちらもパス。いずれ機会があれば。
残るペンタックス純正の50mmと100mm。
100mmの方が画質面での評価や簡易防滴などの機能面、ワーキングディスタンスなど、レンズ単体としての魅力は高いような気がします。
しかし、普段DA35limitedで使ってきた用途や今回の料理写真のことなどを考えると100mmよりも50mmが適していると思い50mmを購入することに決めました。
もうひとつの決め手は、50mmの単焦点を持っていなかったので気軽にスナップできるレンズが欲しかったということもありました。
コンパクトで軽量な標準レンズ
比較するものがないのでこれだけではわかりませんが、大三元に比べるとかなりコンパクトでかなり軽いです。fa35mmやfa77limitedに比べると少し大きいですが、気軽に持ち出せるサイズです。
大きさはフード無しでø67.5 x h60 mm、重さは265g。
ズーミングによって前玉が迫り出し全長が長くなります。フードによって前玉の迫り出しはほとんど気にならないですが、こうしてみるとギリギリまででているんですね。
等倍撮影の際のワーキングディスタンスは47mmなので、被写体とかなり近くなってしまい、こういった点はやはり焦点距離の長い望遠マクロの方が使いやすそうです。渡しの場合はそういうシーンでの撮影は殆ど無いので困りませんが。
使い勝手とか
三脚をどっしり構えての撮影で特に重宝しているが、クイックシフトフォーカス。
AF時にMFに切り替えず、ピントの微調整が出来るこの機能は、フォーカスがシビアに要求されるシーンでは本当に便利です。
PENTAXはAFが遅いとか精度悪いと言われていますが、それはそれとして。このレンズは結構ピントを外すような気がします。さらにAFは迷うとピントリングが無限遠からマクロ域まで行ったり来たりするので結構ストレスです。特にライブビュー時でのAFはどうしようもないです。
そうしたときは上述したクイックシフトフォーカスが活躍するし、三脚使用の際はMFであわせてしまえばいいのです。
描写に関して
近景ではイメージサークルの隅までしっかりと解像していて、遠景でもある程度絞ってしまえば全域まで解像してくれます。
光学性能的にはかなり優秀というレビューを見て購入しましたがどうなんでしょうか。
歪みに関してはほとんどなくて気になりません。周辺減光も少し暗いかな程度で気になりません。私はもともと周辺減光で周りがうっすら暗くなる写真が嫌いではないのですが。
気になるのは色収差。
軸上色収差なのでしょうか?パープルフリンジが盛大に発生します。f5くらいまで絞っても普通にでます。色々なレビューを見ていて、開放でフリンジが少し出る程度だとか、色収差は気にならないという意見が多く、この個体の不具合なのかと思い、RAWデータを数枚リコーに確認してもらいましたが問題ないとのことでした。
それとフレア。
ゴーストは今のところ気になったことはない(でないわけではない)ですが、フレアはでます。これも周辺減光同様あまり気にしないので問題なしですが、こうした意見もあまり聞かないので、いつか誰かの参考になれば、、(下の二枚の写真はf4.5とf5.0です)
標準レンズは楽しい
いろいろと書いてしまいましたが、普段使っていて気になるのはパープルフリンジくらいです。これだけは出ると少し残念な気持ちになります。暗い時以外はほとんど開放で撮影しなくなりました。現像時にパープルフリンジ除去で消せるのですが、気になるものは気になります。これはfa77limitedも同様です。
ただ、画角はもちろん描写には変に癖がなく落ち着いた色味や柔らかいボケ具合で、自然な雰囲気の写真を撮ることができます。物撮り用に購入しましたが、まち歩き的なスナップが楽しいレンズで、なにはともあれ満足でした。
ちなみに絞り羽は8枚なので、きれいな光条がでそうです。大三元のレンズは絞りが9枚で光条がしつこくなる傾向があるのでこのレンズで夜景や建築写真を撮るのも良さそうですね。