写真が多くて内容が煩雑になってきたのでトラベル三脚“TRAVEL TRIPOD”の紹介を2つに分けました。今回は主にギミックや使い勝手について。まだちょっと触っただけですが。
スペックおさらいと使用感のまとめ
先の紹介記事にもマンフロットMT190XPRO4との比較を載せましたが、おさらいも兼ねて。最大サイズに関してはマンフロットの方が大きいことを考慮しても、収納時の大きさや軽さには眼を見張るものがあります。もちろん数字では表せない部分で一長一短ありますが。
TRAVEL TRIPOD | マンフロットMT190XPRO4 | |
収納サイズ | 長さ391 × φ79mm | 長さ590 × φ120mm(雲台込) |
最大サイズ | 152.4mm | 170mm(雲台込) |
重量 | 1.56kg※アルミ | 2.52kg(雲台込) |
耐荷重 | 9.1kg | 7kg(雲台は6.1kg) |
最低高さ | 140mm | 約120mm(雲台込) |
段数 | 5段 レバー式ロック | 4段 レバー式ロック |
雲台 | 自由雲台・アルカスイス互換 | コンパクトボール雲台(496RC2) |
価格 | ¥38,400 | 雲台セットで¥40,000~ |
先にまとめ
【購入の決めて】
・旅行など荷物に制限があるとき用の三脚が別に欲しかった
・これまでの三脚にはないスマートなデザイン性
・kickstarterで安く買えた
【良かったところ(マンフロットMT190XPRO4と比較して)】
・圧倒的なサイズ、重量の違い
・雲台の操作性がストレスフリー
・パーツが軽いため一つ一つの動作がかなり楽
・ケースにも本体にもアンカーがつけられるので携行性抜群
・脚のロックレバーが軽く片手で全てリリース可能
・センターポールを上下逆さにできるので俯瞰撮影が楽
【イマイチなところ(マンフロットMT190XPRO4と比較して)】
・サイズとトレードオフだが脚の段数が一段多く収納時に少し手間
・開き具合が3段階(全閉・通常・全開)しかない(これがかなり不満!!)
・ローポジションにするには六角レンチが必要
・ローポジションでの撮影の自由度は低い
・ローポジションが意外に高い
【総評】
業務で使うには最大サイズがそこまで高くなかったり、できることに限界があったりとこれ一本で多様な撮影シーンを網羅できません。ただできることは多く、他の三脚にはない機能や機動性の高さなどTRAVEL TRIPODが取ってかわれるシーンがあることも事実なので買って損はないアイテムです。旅行やちょっとしたお出かけに持っていったり、家の中で急に使いたくなるときには重宝しそうです。
ギミックいろいろ
脚には六角レンチが取り付いています。TRAVEL TRIPOD専用のオリジナルデザインで、2.5mmと4mmの仕様になっています。後述しますがこの六角レンチを使ってセンターポールを逆さにしたり、雲台をアルカスイス互換に変更するために使用できます。
三脚の安定性を増すためのカウンターウェイトフック
センターポールの下部にはフックが。こちらはカメラバッグなどをかけることで三脚の安定性を向上させられます。耐荷重については特に表記ありませんでした。少なくとも本体の耐荷重以下だとは思いますが。
スマートフォンをセットするためのスマホホルダー
センターポール内には更にギミックがあります。
①矢印のパーツはレバーになっていて下に引きながら回転させることでフックが外れます。
②真ん中の状態ではセンターポールとフックは磁石でくっついています。
③フックを外すとセンターポールの中からPhone mount(スマホマウント)がでてきます。
フックを外すことで、センターポール自体を三脚本体から取り外せます。
このPhone mountは文字通りスマホをマウントさせるためのものです。上下のパーツを展開させ、スマホの大きさに合わせて挟み込めるようになっています。ただ縦撮りできるほどには伸縮しないので一般的なサイズのスマホの横取りで使うことを想定されているようです。
カメラ同様に雲台の溝に挟み込んでセットします。スマホで使うにはオーバースペックな三脚のような気もしましたが、最近のフラッグシップモデルはかなりカメラの性能が上がってきていますし、機能も増えてきているので十分に活用できるかもしれません。私は未だにiPhone7でしかもレンズが割れているので無用の長物です。
こんな漢字です。レンズが割れているので待受で失礼します。タイマーで家族写真を撮ったり、レビュー系の動画にも。
ローポジションへのトランスフォーム
最初に結論ですが、ローポジションのために一度パーツを分解しないといけないので、マンフロットのMT190XPRO4の方が気楽です。
取り外したセンターポールはさらに短くすることができるのですが、そのためには一度六角レンチで緩める必要があります。雲台のボールの頂点からセンターポールを固定しているボルトにアクセス。わかりやすく三脚から外していますが、三脚に指した状態の方が緩めやすいです。
結構短くなります。どのパーツも軽いので作業は全然苦になりません。プロ用の三脚を取り扱うような疲労感は感じないです。
MT190XPRO4などもそうですが、脚を大きく広げるためには、一度完全に脚を閉じた状態で足先端のフックを押しながら開いていく必要があります。ここでも不満点ですが、三脚の足の角度は、通常の角度と最低高のポジションの2段階のみです。
もう1段階この中間のポジションで固定できると、狭い室内や卓上のものを撮るときなどいろいろなシーンに対応できるので個人的に少し残念なポイントです。
脚の広がり具合について
まずはマンフロットMT190XPRO4
閉じた状態を含めて5段階に角度をつけられます。
次にTRAVEL TRIPOD
閉じた状態を含めても3段階です。私的にはTRAVEL TRIPOD最大のがっかりポイント。
ローポジション時のマウントの位置は思いのほか低くなりません。ローポジションについてもMT190XPRO4のほうが使い勝手良さそうです。
またMT190XPRO4のようにセンターポールを90度倒す方式の三脚の場合、三脚の位置は固定したままセンターポールでカメラの位置を動かせます。なのでTRAVEL TRIPODの最低高のポジションでの撮影の自由度は低いという印象です。
ただMT190XPRO4の各部パーツは重くてレバーも硬く、がしがし変形させにくいという点ではマイナスポイント。それに比べTRAVEL TRIPODの操作部の各パーツはより人間工学的に優れていて「指をかけやすい」「力が加わりやすい」など、扱いやすくなっています。
アンカーを装着してストラップを装着
PEAK DESIGNといえばくらいのアンカーですがもちろんTRAVEL TRIPODにも取り付けられます。センターポールの下のフックと本体に穴が空いていますのでアンカーのストラップをくくります。
ピークデザインはプロダクトの見た目もいいですが、こうした拡張性の高さを含めたトータルデザインが本当に秀逸だと思います。
コンパクトな見た目からびっくりするほどの大きさに
スペック表に書いたとおり、収納時の390mmから最大サイズの150mmへ展開には驚かされます。150mmというサイズ感は物撮りや風景撮影で物足りないシーンが出てくることは容易に想定れますが、その名の通り旅行用の三脚と考えれば必要十分なスペックです。5段階の脚なのでほんとにこれで9.1kg耐えられるの?と不安になるような脚の細さです。安定性についてはkickstarterのページで実証されていましたが、風など外的環境の影響が大きなシーンでどうなるか今後検証したいところです。
俯瞰撮影がかなり楽
センターポールを逆さにすることで、雲台を三脚の下に持ってくれるので通常の三脚では持ってこれない位置にカメラをセットできます。センターポールはノブでしっかり固定しないとカメラが落下する危険があります。落下防止になるので反転させた後は忘れずフックも取り付けるといいでしょう。
アルカスイス互換L型プレートを取り付ける
マウント部分の左右にあるピンは2.5mmの六角レンチで取り除くことができます。取り除くことでアルカスイス互換L型プレートが取り付けられるようになるので縦位置撮影などが捗りそうです。
まとめ
なんといってもこのサイズ感でフルサイズ一眼+70-200f2.8をカバーできるのがTRAVEL TRIPODの最大のスペック上の最大の特徴かと思います。加えて、このクラスの三脚になると重量やサイズがそのまま操作時の労力に直結してるように思うのですが、そうした操作時のウィークポイントを解消していることが一番使ってみてよかったところです。
PEAK DESIGNユーザーは持っていて損のない秀逸な三脚です。これから撮影の現場でどんどん使っていきます。