PENTAXを使っていると誰もが一度は耳にするであろう傑作レンズのFA limitedシリーズ。
このlimitedシリーズはフィルム時代に設計された3本のレンズで、31mm、43mm、77mmという不思議な焦点距離、官能評価に重きを置いた独特の描写、アルミ削り出しの外観が特徴的です。
この官能評価にこだわっているというところで、単なる解像度の高さなどではなく、ボケ味の美しさやヌケの良さに定評があります。
その中でも一番に名前が出てくるのが31mmですが、あまり広角レンズは得意ではないので、ポートレートレンズとして明るい中望遠レンズの77mmを購入しました。
キタムラでの失敗 Aランクでクモリのレンズが届く
購入に当たってはオークションや中古のショップをいろいろ覗いていたんですが、状態の良さ(記載しているとおりなら)と価格のバランスを見てカメラのキタムラでAランクのものを購入。一応購入前にレンズ内の状態を問い合わせ特に問題ないとのことだったのですが、購入後リコーで診てもらったところ、クモリありとのことで修理に出しました。
今後キタムラでのレンズ購入はやめようと決意。そもそも信頼できるところで実物を見てかわないと駄目ですよね。自戒
ちょっと霞んでいるかなという感じですが修理前の写真を何枚か。
リコーイメージングスクエアでのクモリ修理
修理の期間は一週間
2016/11/24受付→完成日2016/12/01
修理内容はレンズくもりのための部品交換となり、工賃が10,000円で部品代が5,000円の総額15,000円(税別)となりました。結局新品が買える値段になってしまいました。
ちなみに後日談で、内蔵型のフードがゆるく仕様かと思っていたでのすが、そんなことはなく、なぜこの修理の際に一緒に指摘してくれなかったのか。。
レンズ概要
簡単にレンズのことを。
フィルター系は49mmですが、存在感のある外観です。レンズ構成は6群7枚。最新のレンズで使われるような特殊ガラスはありません。絞り羽は9枚ですが、円形絞りではありません。
フードは内蔵型のスライド式で、手動で出し入れします。 フィルム時代のレンズということもあって絞り環も。F1.8からF22まで。
緑色の七宝焼のフィンガーポイントがアクセントに。
レンズ性能はともかくとしてアルミ削り出しのボディやディティール作り込みやデザインのこだわりが細かいです。とにかく所有欲を満たすレンズで、他の二本も欲しくなってしまいます。。
使い勝手や描写
コンパクトな大きさですが、レンズやアルミボディのせいかずっしりとした重みがあります。かといって最新のレンズのようなデカさや重さではないので気軽に持ち出しやすい印象です。ついついつけっぱなしにしてしまうことも。
中望遠ということで他のメーカーで言えば85mmのような使い勝手でしょうか。こういう焦点距離だと思ってしまえばまち歩きなんかでも特に違和感なく使えます。
特筆すべきは美しく滑らかで自然なボケ。ピントがあった被写体をくっきり浮かび上がせる立体感とあいまって何気ない景色が印象的な絵画のように切り撮られます。
クモリを修理に出してからはフレアやゴーストが気になったことはなく、逆光には強そうです。ただ、パープルフリンジは結構ひどいです。これは色々なレビューで見てきたことだったので覚悟していましたが、開放では簡単に発生します。
ある程度絞ることで解消されるので、パープルフリンジが出るということを知っていながら使うのであれば許容できると思います。
F1.8の開放でのボケもきれいですが、絞っていくことで解像感が増していき5.6辺りから8で隅までシャープに写してくれます。
買ってよかった、撮って楽しいレンズ
レンズ自体の存在感に一度満足し、カメラで撮って二度満足できる素晴らしいレンズです。
私はシルバーですが、ブラックも本体色にマッチしていていいですよね。
Limitedシリーズは他に、FA43mmもほしいんですが、77mmをシルバーにしてしまったので、43mmもシルバーでと思っています。