プロダクトとしての仕上がりが飛躍したα7IV

今でも人気の衰えないα7IIIですが、次世代機のα7IVが昨年末発売されました。予約開始1週間後くらいに注文したので来るのは2月か3月くらいかなとのんびりしていたら、普通に発売日に届きました。

仕事に追われ1月以上開封するしていませんでしたがようやく開梱。

目次

少しずつ進化してきたα7ですが第1世代からのデザインを踏襲し続けています。

パッケージ

箱の大きさは7iiiより一回り大きくなっています。デザインはシンプルで上質な雰囲気に変更されています。正面の写真はティーザー広告のような表現がされていました。また梱包は環境に配慮した仕様になっています。

卵の容器みたいな紙質の緩衝材。マニュアルはあると便利ですが入っていなくてWEBで見てね、の仕様です。

内容品一覧。
7iiiに比べ価格をはじめ何かとグレードアップしていますが、専用のバッテリーチャージャーは今回も付属せず。なのでそのままだとUSB-Cケーブルを直接本体に挿して充電する必要があります。

バッテリーも変更なし。容量的には、7IIIの場合スチル限定半日稼働ならバッテリー一つで十分持ちました。後ほどスペック表を載せていますが、バッテリーの消耗が大きくなっているので7IIIと同じ感覚でいると危なそうです。
ですのでヘビーユーザーや業務用途ならまあまあ高いチャージャーと予備バッテリーは購入必須。もしくは予備バッテリーが2つあれば事足りるかもしれません。

一方でストラップは、比較の写真を撮っていませんがα7IVのロゴが入っ機種専用の上質なものになっています。けど使わないので正直どうでもいい部分です。

α7IVとα7 IIIとのスペック比較

主要な部分のスペックを比較。

  α7 IV α7 III
サイズ W131.3 × H96.4 × D79.8 mm W126.9 × H95.6 × D73.7 mm
重量 573g 565g
ファインダー 368万ドット / 明るさ、色温度調整機能 235万ドット
液晶モニター バリアングル式 / 103万ドット チルト式 / 92万ドット
画素数 3300万画素 2420万画素
画像ファイル形式 JPEG、HEIF、RAW JPEG、RAW
動画撮影モード 4K 60p (4:2:2 10bit)〜 4K 30p〜
AF 測距点数 759点 693点
瞳AF 人物 / 動物 / 鳥 人物 / 動物
連写 10コマ/秒 10コマ/秒
静止画撮影可能枚数 ファインダー使用時: 約520枚
液晶モニター使用時: 約580枚
ファインダー使用時: 約610枚
液晶モニター使用時: 約710枚

画像処理エンジンも一新されているのと、α7S IIIに搭載されたクリエイティブルックが使えます。そして何よりもメニューのUIも最新のαシリーズ準拠のものに変更されこれがかなり快適です。
わかりやすい大きな変更点はこんな部分は↓でしょうか。

  • 画素数アップ
  • ファインダー解像度アップ
  • 液晶モニターの稼働方式/チルトからバリアングルに
  • 動画撮影モード/4K60p対応

簡単に言えばスチルと動画撮影のハイブリッド機になったという第四世代α7。一方連射は据え置き、チルト式という部分で、スチルメインの人にとっては待望のモデルチェンにならなかったかもしれません。

ただ実際に触ってみるとスペック表からは見えない部分でかなりの改良が施されていて、全く別物のカメラにアップグレードされていることがわかります。サブ機で7IIIを残す気でいましたが同時運用は正直する気が起きないレベルで別のカメラです。

特に色再現の観点からスチルメインの人でも買い替え推奨。

α7IVとα7 IIIとの外観比較

正面。
真正面からみるとあんまり変化なし。とは言え一回り大きくなっていて、開梱時には結構ボリュームアップしたなという印象を受けました。

上から。
グリップの厚みもそうですが、本体自体厚みが増しているのがわかります。

右肩まわり。
ダイヤルが一つ増えていて、露出ダイヤルだったダイヤルもカスタマイズ可能。ロック機構もついています。
私は現状ISO感度を割り当てているのでロックしませんが、露出ダイヤル割り当てている場合にはロックがあると便利ですね。ISOオートにして露出ダイヤルで露出を決定するシーンもあるため露出ダイヤルに戻すかも。

スチル/動画切り替えはレバー式になっていてこれも便利にアップデート。

C1ボタン部分はRECボタンになっていますが、これもカスタマイズ可能です。

一番期待していた「可視光+IRセンサー」へのアップグレードはなし。
ボディの形状は的にはα7S IIIのようにIRセンサーのスペースがありますが、これは躯体を流用したためなのか。
とはいえ、ちょっと使っただけですが、露出決定と色再現に関して飛躍的な進歩を遂げています。7IIIはオートホワイトバランスが本当に使い物にならなくて嫌な気持ちになりますが、7IVはかなりいいです。

背面。
ボタン配置は動画撮影ボタンの代わりにC1ボタンになっていますが、これは天面のボタンレイアウト変更に伴うものですね。AF-ONボタンは大きくなり使いやすくなっています。マルチセレクターもボタンデザイン自体が変わり操作性が大幅に良くなっています。

触ってわかる変化はボタンストロークが深くなっていることで、これに関しては使いやすくなっているのか微妙で人によって好き嫌いがあるかもしれません。

その他左肩のロゴの位置が変わっているのとボディ内手ブレ補正の刻印がなくなりスッキリしています。

ボディデザイン最大の変化であるモニターはバリアングルを採用。
スチル時の利便性では7IIIのチルト式の方に軍配が上がりますが、スチル動画のハイブリッド機と考えたときにはバリアングルが正解かもしれません。ジンバルに乗せているときなどバリアングルだったらなと思うことはしばしばありますし。X-Tシリーズも4世代機からバリアングル採用してますね。スチルでも縦位置の際には重宝します。

端子類、上が7III、下が7IV。
まず最初に気づく端子カバーの仕様変更。これがとても使い勝手が良いです。

上の写真7IIIでは端子カバーは1点で接続されているため開くとカバーが回転して、端子に干渉したりと不便でした。一方7IVでは扉のように2点のヒンジで開くようになっていてすべて全開にしても干渉せずかっちり止まります。

本題の入出力端子については、HDMIがmicro端子からフルサイズのType-A端子へ変更。外部へ出力や外部記録時の信頼性が向上しています。

どうでもいい部分ですが三角環の接続金具も変化していて、穴の大きさが狭くなっているのか遊びがなくカメラを動かしても三角環は動かずカチカチ言いません。

グリップはかなり深くなりました。
7IIIを使っていてそこまで気にしていなかったグリップですが、深くなったことで指の落ち着きが良くなりました。手の大きさによると思いますが7IIIではみ出していて小指が収まるようになりました。

不評だったSLOT1、SLOT2の位置は逆になって直感的なレイアウトになりました。一方でカバーをカバーを開ける際、7IIIはボタンを下にスライドすると開く仕様で、7IVでは下にスライドしてからカバー全体を手前に引くという動作に変わりました。誤って開くのを防ぐためかもしれませんが、開けるのにひと手間かかるように。

α7IVにレンズをつけて

大きなレンズをつけたときの安定感というか見た目のバランスがよくなりました。単純にボディが大きくなったということなんですが。

とはいえ全体的な質感が向上し、7IIIのときに感じていたなんとなくチープな感じが払拭されたように思います。

まだ数枚しか写真撮っていないけどまとめ

まず外部デバイスとUSB接続するとき、7IIIではUSB接続したときの動作を事前にメニュー画面から決めておかなくてはならずかなり不便でした(ジンバルに接続して撮影した動画をMacで取り込むときなど)。7IVではUSB接続したタイミングで挙動を制御できるようになりました。

その他Mac内で写真を削除したらフォーマットしなくてもちゃんと削除した写真ファイルを認識しないようになるし、撮影したデータを日付ごとにフォルダ分けできるようにもなりました。便利。

ほとんど使ってないためなんとも言えませんが、ちょっと使った感想ではファインダーが圧倒的に見やすくなったこと。何よりも色再現が優秀になりオートホワイトバランスで撮影すれば見たままの色を再現してくれるようになりました。7IIIと違いテンションが上がります。

気になるところ
  • α7無印として考えるとちょっと高い
    →進化した内容を考えれば妥当かと
    →バッテリーチャージャーがついているとなお良い
  • バッテリー消費は大きくなりα7III比で痛感するレベル
  • ボタンストロークが深い
    →好き嫌いあると思います
  • 操作項目が多く使いこなすのには時間がかかりそう
  • バリアングルはやっぱり光軸がずれて使いづらい場面も
良いところ
  • ★色再現性の大幅な進化(これが一番うれしい部分)
  • ★ファインダーの解像度アップ(液晶モニターと合わせみやすさ向上)
  • ★優秀なAFシステム
    →リアルタイムトラッキングを使うと7IIIには戻れません
  • ボディのサイズアップで操作性が向上(重さの変化は気にならない範囲)
  • 秀逸なメニューのUI
    →とは言え操作項目が多岐にわたり覚えるのには苦労しそう
  • バリアングルモニターによる多様な撮影シーンでの利便性向上
    →一長一短でもありますが
  • 端子カバーの操作性向上

気になる部分は些細なことで進化し良くなった部分が圧倒的です。価格はまああれですが買ってしまえば気にならないのかなと思います。7IIIを見てるとキャンペーンの割引はあっても本体価格自体が安くなることはなさそうなので早めに買っても損はしないと思います。

チープな印象のあったα7IIIがここに来てプロダクトとしてのクオリティを飛躍させ、写真機として完成したような印象をうけました。

また後日撮影してみてのレビューを。


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